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2018年08月16日

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2018年08月16日

[No.89]8月、図書館で見つけたこと

更新日2018年08月16日

お元気ですか!

早朝、窓から入ってくる風にほんの少し秋を感じる今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。

 

このところ、あちこちで夏休みのいい光景に出会うことが多くなりました。

先日は、バスの中で、おじいちゃんとお孫さんが、仲良く窓の外を眺めながら何やら楽しそうに話し込んでいました。

まどかぴあ図書館も夏休みに入り、大賑わいです。先日は袋いっぱい本を持ったお子さんが「こんなに借りたけど、重くてごめんね」とお父さんに話しているのです。「いっぱい借りられて、よかったね」というお父さんの笑顔が印象的でした。その二人の後姿を眺めながら、ほのぼのとした気持ちになりました。こうして、親子でゆっくり一緒の時間を持つことができるのも夏休み、いいなと思ったことです。

 

先日、まどかぴあ図書館で、『偉人を育てた母の言葉』(大坪信之、致知出版社)という本が目に留まりました。

ナポレオン、ゲーテ、宮沢賢治、西郷隆盛などなど。それぞれが人生の中で大きく影響を受けた母親の言葉が紹介されていました。すべてに共通しているのは、子どもたちを包み込む言葉、その力を肯定し背中を押すような言葉が並んでいるのです。

たとえば、手塚治虫さんは「お母さんは、あなたの漫画の世界で一号のファンになりました。これから、お母さんのために面白い漫画をたくさん描いてください」と言われたそうです。

初めて飛行機を作ったライト兄弟は「ひとつずつきちんと考えて積み重ねていけばどんな難しいことでも必ずできますよ」「不思議だと感じたことは、どんどん自分で調べてみなさい」とお母さんに言われたとか。好奇心の芽を摘むことなく、そばから応援する姿勢がよく表れています。

夏休みこそ、じっくり調べ物をしたり、ゆっくりものごとを考えたりするのに一番適した時かもしれません。時間がたっぷりある夏休みこそ、親子のコミュニケーションの時間を工夫したいものです。

 

私自身の子育てのころの夏休みを振り返ってみると、「早くしなさい」「急ぎなさい」「ダメでしょ」と、子どもたちを急かせて叱ってばかりだったような気がします。今、深く反省しながらこの文章を書いています。

そして、もっと昔、私が子どものころです。夏休みの宿題の絵を描き上げる時間が無くなって困っていたら、父が横から白と黒の水彩絵の具を混ぜていい感じの灰色を作り、果物のバックを横から黙って塗りつぶしてくれたことを覚えています。ブドウや桃が浮き上がるように映えてとても嬉しい一枚ができました。私の夏休みの大切な思い出です。

 

かわいいお子さんたちにとって、よい夏休みでありますように。

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